木材のすすめ
こんなに使える木の内装
火災の時、内装材への着火をできるだけ遅らせ、フラッシュオーバーと呼ばれる急激な爆発的燃焼を抑制するために、建築物の用途や規模、構造の違いに応じて、次のように内装材料の基準(内装制限)が設けられています。
一戸建て住宅、事務所、学校…内装材として木材を使えます、ただし、台所などの火気使用室内の壁と天井には、燃え広がるのを防ぐため、燃えにくい加工をした木材(準不燃材料)にする必要があります。また、この場合であっても、最上階の火気使用室、あるいは、主要な壁、柱、床、はり、屋根などが鉄筋コンクリート造等の場合には内装に木材を使えます。
店舗、共同住宅等…劇場、病院、百貨店、ホテル、共同住宅のように不特定多数の人が利用したり、就寝に利用したりする建築物(特殊建築物)等であっても、一定の規模や階数以下のものは内装に木材を使えます。なお、内装制限を受ける場合でも、居室等では床面から1.2mまでの高さの壁(腰板)や床面には木材が使えます。
一般に特殊建築物の居室等では、天井面と壁面に難燃材料以上の材料を張ることが必要ですが、天井にせっこうボードなどの準不燃材料を張ることで壁の仕上げに木材が使えます。また、スプリンクラー等の消火設備と排煙設備が設けられている場合は、天井、壁すべての内装に木材を使えます。
高知県・中芸 高等学校格技場(床/ヒノキフローリング張り、壁/ヒノキ縁甲板張り、はり/ヒノキ)
埼玉県飯能市・N邸(床/ナラ、腰壁・天井/スギ)
神奈川県逗子市・H邸(床・壁・天井/サワラ)
京都府亀岡市・K邸(はり・けた/マツ(古材)、柱/ヒノキ(古材)、床/ナラ)
新潟県・分水町立あおい保育園(腰壁/タモ合板)
埼玉県入間市・M邸(天井/スギ、広縁(床)/ヒノキ)
平成12年6月の建築基準法改正により、避難安全検証法が導入されました。天井を高くしたり、窓を大きくすることによって安全に避難できることを確認できれば、内装に木材をもっと使えるようになっています。
在館(階)者の避難行動等を予想し、各階または建築物が煙・ガス等により
危険となる時間と比較して、火災時の避難の安全を確認。
防火材料は、燃えにくさによって、不燃材料、準不燃材料、難燃材料の3種類にランク分けされています。
木質建材の中には、燃えにくい加工を施すことにより、不燃材料、準不燃材料、難燃材料として国土交通大臣の認定を受けたものがあります。火気使用室や廊下等で内装を準不燃材料等とすることが必要な場合は、これらの材料を用いることで木材により仕上げることができます。これらの材料には、例えば、加熱するとセラミック化して木材の細胞を保護し、木材が熱分解することを防ぐ薬剤や、熱分解して水や炭酸ガスを発生して木材周辺の温度を低くする薬剤を浸透したものなどがあります。
※なお、建築物の内装に関する規定上は、不燃材料と準不燃材料は同じ扱いです。
東京芸術大学奏楽堂 内壁/木の準不燃材料
不燃材料・準不燃材料・難燃材料
火災時の加熱に対して、下表中の時間のあいだ、①燃焼、②変形や溶融・亀裂、③有害な煙やガスの発生がない建築材料 ※不燃材料は準不燃材料に、準不燃材料は難燃材料にそれぞれ含まれます。
一戸建て住宅、事務所、学校…内装材として木材を使えます、ただし、台所などの火気使用室内の壁と天井には、燃え広がるのを防ぐため、燃えにくい加工をした木材(準不燃材料)にする必要があります。また、この場合であっても、最上階の火気使用室、あるいは、主要な壁、柱、床、はり、屋根などが鉄筋コンクリート造等の場合には内装に木材を使えます。
店舗、共同住宅等…劇場、病院、百貨店、ホテル、共同住宅のように不特定多数の人が利用したり、就寝に利用したりする建築物(特殊建築物)等であっても、一定の規模や階数以下のものは内装に木材を使えます。なお、内装制限を受ける場合でも、居室等では床面から1.2mまでの高さの壁(腰板)や床面には木材が使えます。
内装制限の緩和措置
高知県・中芸 高等学校格技場(床/ヒノキフローリング張り、壁/ヒノキ縁甲板張り、はり/ヒノキ)
埼玉県飯能市・N邸(床/ナラ、腰壁・天井/スギ)
神奈川県逗子市・H邸(床・壁・天井/サワラ)
京都府亀岡市・K邸(はり・けた/マツ(古材)、柱/ヒノキ(古材)、床/ナラ)
新潟県・分水町立あおい保育園(腰壁/タモ合板)
埼玉県入間市・M邸(天井/スギ、広縁(床)/ヒノキ)
避難安全検証法で木材はもっと使える
在館(階)者の避難行動等を予想し、各階または建築物が煙・ガス等により
危険となる時間と比較して、火災時の避難の安全を確認。
燃えにくい木材の技術開発
木質建材の中には、燃えにくい加工を施すことにより、不燃材料、準不燃材料、難燃材料として国土交通大臣の認定を受けたものがあります。火気使用室や廊下等で内装を準不燃材料等とすることが必要な場合は、これらの材料を用いることで木材により仕上げることができます。これらの材料には、例えば、加熱するとセラミック化して木材の細胞を保護し、木材が熱分解することを防ぐ薬剤や、熱分解して水や炭酸ガスを発生して木材周辺の温度を低くする薬剤を浸透したものなどがあります。
※なお、建築物の内装に関する規定上は、不燃材料と準不燃材料は同じ扱いです。
東京芸術大学奏楽堂 内壁/木の準不燃材料
不燃材料・準不燃材料・難燃材料
火災時の加熱に対して、下表中の時間のあいだ、①燃焼、②変形や溶融・亀裂、③有害な煙やガスの発生がない建築材料 ※不燃材料は準不燃材料に、準不燃材料は難燃材料にそれぞれ含まれます。
学校、店舗、共同住宅等への消防用設備等の設置基準の緩和
学校、劇場、病院、百貨店、ホテル、共同住宅など多くの人が利用する施設等については、消防法に基づき用途、規模、構造等に応じて屋内消火栓等の消防用設備等の設置基準が定められており、準耐火建築物等においては、難燃材料や準不燃材料などを内装仕上げ材とすると、設置基準が緩和されます。