木材のすすめ

はじめに 人と地球環境にやさしい木材を使った暮らし

快適に暮らすためにも、地球環境を守るためにも、木材を生活の中に採り入れ、積極的に使いませんか。

私たちの多くが木造住宅で暮らしたいと思っています。木の住まいが好まれるのは、伝統的に木材をよく利用してきたからだけではなく、木材に、断熱性が高く、調湿作用があり、目に与える刺激が小さいなど、日本の風土に適し、人に心地よい感覚をあたえる素材としての特長があるからです。
このように、人にやさしいだけではなく、木材は、太陽エネルギーと生命力とによって、くり返し生産することが可能な地球にやさしい資源でもあります。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素を大気中から吸収し、蓄えてくれる管理させた森林からは、森林を破壊することなくくり返し木材が得られます。木材で住宅等の建築物をつくることは、環境に負荷をあたえないばかりか、炭素をまちの中で蓄えるなど、理想的な循環系をつくります。

私たちの多くが望む木の住まい

日本では、昔から木の住まいで暮らしていました。現在でも、私たちの多くが木造住宅を望んでいます。平成12年の住宅の新設着工数は123万戸、木造率は45%です。建て方別の木造率は、共同住宅では12%ですが、一戸建てでは81%にもなります。

調査年月 木造 非木造 分からない
S51年9月 79.5% 14.0% 6.5%
H8年1月 81.6% 15.1% 3.3%
H11年7月 88.5% 7.7% 3.8%
木造住宅に対するニーズ─ どのような住宅を選びたいか
資料:総理府「森林と生活に関する世論調査」

木材の健康面からみた魅力

木材には、①断熱性が高く、独特の温もりがある、②調湿作用がある、③衝撃緩衝作用がある、④目にやさしい、⑤ダニを抑制する、⑥適度に吸音するなどの特長があります。

熱伝導率が低い木材 ─ 床材料の違いによる足の甲の温度変化
熱伝導率が低い木材 ─ 床材料の違いによる足の甲の温度変化
資料:山本孝 他「木材工業」vol22-1.p24,1967


調湿効果が高い木材 ─ 内装の違いによる住宅内の湿度変化
調湿効果が高い木材 ─ 内装の違いによる住宅内の湿度変化
資料:則元京 他 木材研究資料No.11,1977


衝撃をやわらげる木材 ─ 衝撃の吸収率
衝撃をやわらげる木材 ─ 衝撃の吸収率
資料:「建築アラカルト」鹿島出版会,1986


有害な紫外線を吸収する木材 ─ 波長ごとの反射率
有害な紫外線を吸収する木材 ─ 波長ごとの反射率
資料:「木を生かす」(財)日本木材備蓄機構,1989


ダニを抑制する木材 ─ カーペットからフローリングに改装することによる変化
ダニを抑制する木材 ─ カーペットからフローリングに改装することによる変化
資料:高岡・高野・宮崎,1985

地球温暖化防止に貢献する木材利用


我が国の森林資源は、1千万haを超える人工林を中心に、蓄積が毎年7千万平方メートル増加し、着実に充実してきています。きちんと管理された森林から得られる木材を利用すれば、その間に森林は再生し、再び木材を利用できます。しかも、木材は製造加工する時のエネルギー消費が少なくてすみます。木材利用がいかに地球にやさしいかがわかります。

炭素ストックの持続性─ 木の育成と利用の過程における炭素貯蔵量
炭素ストックの持続性─ 木の育成と利用の過程における炭素貯蔵量


一戸当りの炭素貯蔵量と材料製造時の炭素放出量
一戸当りの炭素貯蔵量と材料製造時の炭素放出量
資料:岡崎ら,1998 他